早春の「女三人」小さな旅。 [子ども・家族のこと。]
つい先日のこと。
母が「三渓園の梅、見てみたいなぁ」と呟いたのを耳にした。
父が亡くなってから、毎日怒濤のような忙しさと、その一方でどこか気が
抜けてしまったような、そんな生活を送っていた母。
なかなか宿泊を伴う旅行には連れて行ってあげられそうになく、それでは!
と横浜は三渓園への小旅行を決めたのだった(というほど大げさな距離では
ないのだが)。今日は天気も穏やかで小旅行にはもってこい!
プッコさんは丁度学校がイベントで授業のない日だったため、サボタージュ。
(たまにはサボタージュもいいではないか…笑)
みんなで意気揚々と自宅を出発した。
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母が十年ぶりぐらいで口紅を引いていた。
そんな母を見て何となく涙が出そうになる。
プッコさんも「バアバが口紅つけてる!」と驚きを
隠さない。父の世話でずっと忘れていたことだものね。
やっと自分だけのために時間を使えるようになった母。
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同じ横浜市でありながら、我が家は川崎市境のため三渓園のある本牧までは
約2時間とかなりの距離である。
JR横浜まで地下鉄に揺られ、そこからは三渓園行のバスに乗る。
ドライブし慣れた風景だから道筋は全て分かっているけれど、バスの車窓か
らはいつもとまた違った雰囲気を愉しむことができる。
異国情緒、そして大正ロマンを感じさせる街の古びた建造物の数々や独特の
煌びやかさを持つ中華街東陽門を眺めつつバスは一路三渓園へ。
梅の旬ということもあってか、園内は結構な人出。
三渓園は20年ぶりぐらいに訪れたのだが、あの頃と何ら変わらない景色で迎
えてくれた。
梅もほぼ満開、梅の下には一面の水仙。自然の持つ彩りは言い尽くせない程の
迫力と感動をくれる。
「花より団子」とは言わないが(笑)、途中甘いものが恋しくなり、みんなで
茶店へ。プッコさんはきなこ団子、私と母はあんみつを頼む。
梅を愛でながら、美味しい甘味…うーんこれぞ最上の贅沢♪
もうすぐ春、というこの季節。
冬枯れの木々たちも、一番寒い時期を経て萌出でようとするエネルギーを蓄え
ているように見えるから不思議。一雨ごとに幹の色が変わってゆく。
その後、私たちは梅をさんざん愉しんでからプッコさん一押しの池の餌やりに。
前述の茶店で鯉とカモの餌が売られていたのをしっかりチェックしているプッ
コさん。
さあ、やり始めたら大変!どこからこんなに集まったんだい?というほどそこ
らじゅうから鯉もカモも集まってくる(笑)。
鯉は大きな口を開け、カモはお互いの仲間同士熾烈な争奪戦が繰り広げられた。
楽しい時間もあっという間。
池のほとりでベンチに座り、景色を胸に焼き付ける。
あまりに美しかった。
※プッコさん撮影…アタクシの美しい?!後ろ姿(笑)。
三渓園はまさに「風光明媚」なスポット。高浜虚子や夏目漱石などもこの場所
を愛したという。
私たちも俄写真家になったつもりで次々とシャッターを押した。
※園窓口の横の日だまりに座っていた可愛いネコさん。人なつこい。
日もだいぶ傾いてきたので園を出て、最後に「地井さん」も立ち寄ったことの
あるお土産さんで漬け物やら飴を買い求める。
「ここ『ちい散歩』で地井さんが訪れたんですよね?」と女将さんに話しかけ
ると「地井さん、とても素朴でいい人でしたよ」とエピソードを教えてくれた。
そういや、地井さん、ここのおせんべいを頬張っていたっけ。
日帰りの旅は、どうしても時間に縛られることになり、母にはあまりゆっくり
させてあげられなかったけど、それでも本牧の町並みを歩き三渓園の梅たちに逢
えた今日はとても幸せな一日だった。
次はまた、睡蓮の季節に行ってみようと思う。
女3人の小さな旅、楽しかった。
2010-02-23 23:42
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