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悪徳業者。 [雑記やら、愚痴やら、備忘録等々。]

 四十九日も過ぎたので、父がかつて暮らした部屋に数多く残されてい
る遺品を整理する。
 いくつかの引き出しに遺された洋服や父の愛用していた品々。
 しかし、感慨にふけっていてはいつまでも先へ進めないので半ば心を
鬼にするような思いでそれらの多くをゴミ袋に詰めてゆく。

 茶箪笥や電話台、それに父の使っていた布団一式。
 それに細々としたものを集めたゴミ袋。
 そうでもない、と思っていた遺品だったが、いったん引き出しの外に
出すと家具の他にゴミ袋5袋程度と、かなりの量になってしまった。

 これらを通常ゴミや粗大ゴミで処分するとなると当地区はかなり分別
がうるさく徹底されているし、粗大ゴミの方は所定の場所へ積み上げな
ければならないので、あまり人目につくこともしたくないとネットで処
分業者を探したのがそもそもの失敗の始まりだった。

「不要品 処分」と検索にかけて出てきた業者。業界最安値などと書か
れてあったので、とりあえず連絡フォームから見積もりを依頼した。
 その際、「非常に低予算しか枠がありません。予算が折り合わない時
には来て頂いた上でもお断りすることもありますがいいですか?」とい
うような文章を備考欄に書き加える。

 驚いた。
 一分後にはその業者の集中センターから連絡(電話)が入った。
「お見積もりは完全無料です。どうかご安心下さい。予算が合わない場
合にはお断りいただいて全くかまいません」
 というので、即日見積もりに来てもらうことになった。

 指定した時間に現れたのは小太りの胡散臭い中年オヤジ。
 声だけは女性なみに甲高く、正直不気味なオヤジだ。
 ズカズカと自宅に上がり込んで父の部屋を物色した後、査定表みたい
なものに、慣れた手つきで物品名とその各々の処分費を書き込んでゆく。

 最終的に出た金額は予算の3倍ほど、はっきり言って単身の引っ越し
なら釣りがくるほどの、文字通り目が飛び出るほどの金額であった。
※処分費は一つ一つが驚くほどの金額では決してなかった。しかし、基
本料金なるものが存在し、これがものすごい比率を占めている。

 ぼったくりじゃん!
 やられた!
 信じられない。
 あまりの金額に目を疑った。

 母と二人顔を見合わせる。
 母も「とんでもない」という顔。
 
「すみません、そんな予算ありません」
 そう言うと相手はこういうシチュエーションを数多くこなしているの
か断られるのは全くもって想定内、といった表情と言葉で「ええ、ええ、
そうですよねぇ、でしたらご自分で捨てられるゴミ袋などは抜いてご予
算に近づけます」といい、再度見積もりを出すも、大幅な予算オーバー。
 
 もう見込みなし、と考えた母が「ごめんなさい、予算に全くあわない
のでまた検討させてもらってお願いする時は連絡するので」と言っても
「じゃあ、テレビだけでも引き取らせて下さいよ。テレビだけなら基本
料金いりませんよ、4000円で引き取りますので」と一向に引き下がろう
としない。母は、困った顔をしている。

※おかしいではないか。他の物は基本料金がプラスされるのに、テレビ
だけならこの基本料金が発生しない、って一体なんなのよ。
適当なこと言ってんじゃないよ。
 だいたい、マニュアルがあるんだろうね、どこの家庭だってそんなに
予算があるわけがなく、断られるのが当たり前。だから「こう言われた
らこう言う」というマニュアルが存在するのだろう。

 「バカヤロー!テレビなら無料で引き取ってくれるとこ山ほどあるわ
い!誰がおまえなんかに4000円も払うかいっ!」と思ったので、「それ
も結構です」と言おうとした矢先、そんな時に限ってリビングで電話が
鳴り始めた。

 仕方なく電話に走る私。
 プッコさんの通う公文教室の先生からである。
 ちょっとしたトラブルがあり、話が長くなった。
 
 玄関の方を気にかけていると、母は帰ってもらいたい一心でどうやら
テレビを引き渡すつもりになってしまったらしい。んもう〜〜〜っ!
 人の弱みにつけ込んでなんということか。

 電話を早々に済ませ、玄関に飛んでいくと母が「帰ってもらいたいか
らともかくテレビを引き渡すことにした」と言う。
 わからないじゃないけど、はっきり断ってやりたかったのに。
 業者の男は領収証を車に取りに行くと言ってその場を離れていたが、
玄関の外で本部と電話連絡している様子が聞こえてきた。
「うんうん、テレビ一台、テレビ一台だよ、全然だめ」などと言ってい
る。要は収穫がなかった、と言いたいのだろう。

 更にむかついてはらわたが煮えくりかえった。
 何だか優柔不断な母にも腹が立ち、私は奥へ引っ込む。
 母は大枚4000円を支払い、男は領収証を渡して足早に帰って行った。

 不要品の回収ってさ、どうしてこう胡散臭いのだろう。よく週末にな
ると「不要品の回収車です」とか大音量で回ってくるけど、宣伝通り、
無料で回収してくれる良心的なおじさんもいるけど、大抵は難癖をつけ
て「これは一つ1000円ね」とかさ。嘘ついてんじゃないよ、まったく。

 これを悪徳商法と言わずして何と言おう。
 もう二度と頼むものか。

 その後、再度この悪徳男から電話が入った。
「あのですねぇ、領収証の住所、「青葉区」というところを「緑区」に
しちゃいましてねぇ、ええ、ええ。申し訳ありませんが、そちらで訂正
してもらえますかぁ?ええ、ええ」
 バッカじゃないの?! もう消えろっ!
 領収証を自分で訂正できりゃ苦労せんわ!馬鹿めが。 

 あまりに腹が立って本部に苦情を言ってやろうとお客様センターに連
絡するも、不通(出ない)。
 今日になって再度してみたら今度はずーっと「通話中」。
 なるほどね。
 最後まで悪徳業者の手口を見せてもらいましたよ。

 引っかかった自分が悪いのだから仕方がないけれど、こうした業者が
数多く存在すると思うし、これからはもっともっと注意をしなければい
けないと痛感している。
 金取られて、腹立って、もう…最低っ!
 泥棒に追い銭とはまさにこのこったね。
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