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口唇口蓋裂・修正手術の記録<8/23手術当日> [口唇口蓋裂のこと。]

 <注:8月22日から一週間の手術入院の模様を記録しています。
 口唇口蓋裂関連記事になりますので、興味のない方は読み飛ばして下さい>


 ●手術当日<8/23>

 O先生のオペでの順番は4番目。
 前日分にも記したように手術開始予定時刻は15:45、一足先にカズさんが病院に行って
いてくれたので私と母はお昼前に家を出ようと支度をしていた。
 …ブルルルル。携帯のバイブが鳴る。カズさんからだ。

 「なんかね、オッサンの前の手術予定の男の子さ、親がまだ病院到着しなくて手術に入れ
ないんだって!もしかしたら順番入れ替えるとかでオッサンの手術、すごく早まるかも…。」




 このときの時間は12時少し前。
 うちから病院のある旗の台まではどう急いでも1時間はかかる。
 ともかく焦って家を飛び出し、田園都市線→大井町線。
 こんな時に限ってどっちも各駅停車。どうなってるの、といらつく。
 
 大井町線の自由が丘駅を出た頃、カズさんからメール。
 「手術室から呼ばれたからそろそろ行くよ。俺がついてるから心配しなくていいから」との
メッセージ。
 万事休す。
 いや、待てよ、手術室は診察棟の上だから多少は移動に時間がかかる。大岡山でタクシーに
乗り換えて病院まで急いでもらったら何とか手術室に入るところぐらいは見てやれるかもしれない。

 「もし間に合わなかったら『がんばって』と伝えて!」とメールを返し、母と二人、大岡山で下車、
タクシーに飛び乗る。

 ▲13:00 病院到着
 距離はそれほどでもなく、思惑通り10分ほどで到着し病院内に駆け込んでエスカレーターで2Fの
手術室入り口へ走り寄ると、横のベンチに見た顔が…。プッコさんだった。カズさんと先に病院に
行ったプッコさん。大人は手術室の前まで入れるけれど、子どもはNGらしく廊下のベンチに座って
待っていた。
 ということは…。
 やっぱり万事休す。
 間に合わなかった…。
 ごめんね、オッサン。何の言葉がけもしてやれなかった。

 5分ほどすると手術室へオッサンを見送ったカズさんが看護師さんと一緒に戻ってきた。
 「あいつにさっきの言葉伝えたよ。あいつ『がんばる』って言ってたよ」
 カズさんによると緊張したオッサン、朝から2回ほどトイレに行ったがその他は比較的落ち
着いた様子で手術室へ入った、とのこと(ちなみに行きは手術室まで歩き)。 

 ただ、術前に病室で点滴を入れる時、どうも入れ方が悪かったらしく液が体内に漏れてしまい、
腕がパンパンに腫れてしまったらしい。プッコさんが「にいすけの腕、腫れちゃってすごかったんだ
よ…。痛そうで可哀想だったよ」とのこと。うーん、これは初めての経験だなぁ。そんなこともある
んだね。
 
 手術予定時間は約2時間。麻酔の準備・覚醒にかかる時間が1時間。合計3時間の待ち時間。
 何回経験しても落ち着かない、イヤな時間。
 命に関わる手術ではないにしても、全身麻酔下での手術は万が一を考えるとやっぱり毎回、身が
細ってしまう。
 
 この間、みんなで病室のベッド周りに座り、味も分からぬままコン弁にて昼食。大部屋なので
あまり大きな声で話すこともできないから、地下にあるドトールに場所を移してお茶を飲んだ。
 
 ▲15:30 病室に戻っていると看護師さんがやってきて「手術室から戻る前にベッドの準備を
させてください」と電動ベッドを真っ平らに直し酸素吸入、上に点滴をぶらさげる機具を取り付
ける。これもいつもの光景。

 ▲16:00 看護師さんより「手術が終わったので迎えに行きます」との知らせ。胸が高鳴る。
 ともあれ、無事に終わったことは間違いない。万が一麻酔や術中に異常があれば病室へは戻らず
集中治療になるので、このお知らせがあった時点でほぼホッとできる。
 前回までは全て手術室前まで家族も迎えに入れたのだが、今回はNG。看護師さんが一人で迎え
に。入院棟と手術室のある診察棟は渡り廊下で繋がっているのだが、如何せん大きな病院でかなり
距離がある上にエレベーターが超混み合うため、オッサンが戻ってくるまでの時間がとてつもなく
長く感じる。

 ▲16:15 病室のある8Fエレベーター前でジレジレしながら家族全員で待つ。
 ストレッチャー専用のエレベーターのドアが開いた!オッサンだ!
 看護師さんがニコニコしながらストレッチャーを私達の前で停めて下さった。
 鼻にはプロテクター、唇の上に大きなガーゼを留めた痛々しい姿のオッサン。
 しかしながら表情が違うことがはっきりと分かって手術が成功したことを認識できる。

 「キョウスケ、よく頑張ったね!無事終わったよ!」と声をかけると目は開けないが大きくしっ
かりと頷いてくれた。毎回のことではあるのだが、さっきまで管を入れていた喉がかなり痛いらし
く、さかんに痰が絡んだような痛そうな咳払いをしている。

download-2.jpg

 病室のベッドに移され、真っ平らに寝ているオッサン。酸素マスクも付けられた。
 今し方塞いだばかりの術創からとめどなく出血があり、顔を伝って首にまで流れてしまう。
 頭を低くされているため、鼻の中の血液が喉に回ってつらそうだった。
 
 手術後は比較的頻繁に看護師さんが様子を見に来てくれるのだが、検温をすると37.2℃。
 全身麻酔後はいつも発熱してしまう。一昨年の術後も確か38℃近くまで上がったように記憶して
いる。体が熱くてたまらないので、看護師さんが氷枕に加えて氷嚢をいくつか持って来て下さって
脇の下に入れていただく。

 酸素マスクの下から「暑い…」を繰り返すので、布団から足を出してやって持っていたノートで
扇いでやった。大部屋の真ん中部分のベッドはこの時期、ただでなくとも暑い。
 ※団扇は必需品(特に大部屋の場合はあると便利)。

 意識はしっかりとしていて、話かけるときちんと返事をする。
 「痛みは?」→喉を指さして「痛い」(管を抜いた後の喉が痛いと訴える)
 「傷の方は大丈夫?痛みひどい?」→「大丈夫」
 「気分は?悪くない?」→「大丈夫」等々。
 頭を低くされているのがつらい、としきりに訴えていた。

 ▲17:15 酸素マスクが外される。と同時に頭を低くしなくても良くなるためすぐに電動ボタン
で頭を少し高くする。全身麻酔後はなかなか目が開かないのだが、この頃にははっきりと覚醒して
くる。酸素マスクが外れたとほぼ同時に喉の痛みを緩和するための吸入器具が持ち込まれた。
 風邪をひいた時などに耳鼻科で使う吸入器と同じようなもので、口元から薬を噴霧。
 これも毎回。
 本人によると「結構楽になる」とのこと。
 もうこの頃には自分で起き上がれる(但し、麻酔の影響でまだふらついている)し、話もできる
ようになる。
 「やっぱり今回も管を入れるのがつらかったよ…」とのこと。
 やはり昨日の麻酔科の医師への話は通じていなかったのか…。それともどうやってもそのぐらい
の苦痛が出てしまうものなのだろうか。

 ▲18:00 汗でびしょびしょになった病衣の着替え。今回も病衣は病院のレンタルを使用。
(1日あたり150円。病衣レンタルは入院手続きの申込時に歯ブラシとコップをいただける特典付)
 「T字帯、外したい。なんかごそごそして気持ち悪い」というので看護師さんに確認の上で外す。
(T字帯、本当にやーな感じなんですよね。自分も一度やったことがあるのでよくわかるのだけど)

 ▲19:00 飲み物許可。但し、最初は水かお茶のみをほんの少しからスタート。全身麻酔の
場合には胃腸も眠ってしまっているため、予め看護師さんが聴診器で胃腸の動きを聞いてからの
スタートとなる(聴診器チェックは無事OK)。
 一番最初はロビーの販売機で売っていた「十六茶」からスタート。
 久方ぶりの飲み物で喉を潤したオッサン、とても美味しそうに飲んでいた。
 少し時間をおいてアクエリアスも飲む。
 気分の悪さもないようだ。

 ▲19:15 担当の補佐医師が来訪。「O先生は他の病院で手術のため僕がきました。手術は
全て滞りなく終了して、計画通りです。退院は今日から丁度一週間後の29日月曜日以降、その後
は9月の終わりに一度来院して下さい」とのこと。
 鼻の修正手術で一番大変なのはガーゼを入れることです、と担当医師から聞かされていた。
 ほぼ一週間、味も臭いも分からず、なおかつ会話も少々大変な状態を乗り切らなくてはならな
い。口呼吸のみとなるのは想像していた以上にかなり大変なことだ。
 退院希望は抜糸当日の8/29日を希望し、傷のチェックは9/29日に予約をお願いした。

 ▲19:30 看護師さんの許可をもらってトイレへ。よろつきもせずしっかりとした足取りで
帰ってきたので一安心。

 ▲20:00 面会終了時間。
 手術直後から19:00ぐらいまでは比較的饒舌にしゃべっていたが、やはり不安が大きくなっ
てきたのか、面会終盤にさしかかるにつれ段々と言葉も少なく。帰らせたくないのか、用事
ばかりを言いつけてくる。
 何とか当人にも納得してもらって病室を後にするが、やはり手術当日はこちらも切ないばかり。
 頑張れ、オッサン。



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