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しばらくぶりで…。 [地震や原発のこと。]


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 連休二日目、真夏のような暑さだった昨日の18日、本当に久しぶりで原発のシンポジウム、

 “「原発」今こそ考えよう 市民が拓く 日本の未来 地域の未来

 に出かけた。


※「また原発の話題かよ〜」と嫌悪感のある方ははスルーしてください。





 最近、こうした講演会等に参加することがとても少なくなっていて、自分としても「アン
テナ低めになってるな」という思いがあったのだが、それにしても今回のシンポジウム参加は
とても急に決めたことだった。

 きっかけはTwitter。
 私は河野太郎氏のTwitterやブログ「ごまめの歯ぎしり」を見ているのだが、前者のTwitter
にて「今日の13時半からメロンディアあざみ野でNPO法人Waveよこはま主催のパネルディス
カッション「原発今こそ考えよう」に参加します。」というツイートを見かけたからだった。

 「えっ!」

 あざみ野だったら居住区内じゃん、それに河野氏だけじゃない、一度話を聞いてみたかった
後藤政志さん(原子力プラント設計技師)もパネリストとして参加されるため、即座に告知・
詳細ページに記載されている電話番号にコール。

 「今日知ったものだから、前売りを手に入れてません。当日券の余裕はありますか?」と尋ね
ると「今、会場から情報が入ってまだ余裕がありますので是非」とのこと。
 
 急ぎ用意をして自宅を飛び出した。

 時間ギリギリになったが、何とか会場へ飛び込んで当日券を手に入れて会場へ。
 350名入る会場、ということだったが、ほぼ満員(後で知った話だと「満員御礼」とのこと)。
 こうしたローカルな地で行われるシンポジウムにしてはかなりの集客数だと思う。
 震災から半年、「そろそろ喉元過ぎれば…かなぁ」と思っていたりもしたので、良くも悪くも
原発の影響力のインパクト、大きさがうかがい知れる。
 また前回参加した河野氏単独の講演会時同様、日ノ出テレビ(U-STREAM)の生中継も入る。

 ゲストは河野太郎氏、後藤政志氏、水野誠一氏(元西武百貨店社長)の三方に加え、進行役に
地元の元衆議院議員・福田峰之氏(自由民主党)という面々。

 13:30スタートで前半は「原発事故の原因を振り返る」、後半は「原発に変わる新しいエネル
ギーの可能性」というテーマの下、15:00までの90分間、ディスカッションを繰り広げた。

 色々書きたいことはあるのだけれども、今回のシンポジウムに関しての感想。

 三方、それぞれに立派な方々であったのだが、それだけに全体の時間が非常に短く「尻切れトン
ボ」のようなストレスを少々感じた。
 河野氏はともかく(以前も講演会を聴いているので)、後藤氏・水野氏の論点は非常に興味深く
もっと掘り下げて聴きたかった、というのが正直なところ。

 日本(否、政府といった方が正しいかも)の原発事故に関する隠蔽や情報統制は甚だしく酷い。
 フクイチに関しても出てくるわ、くるわ、今頃になって何を言うか、という苛立たしさ。
 
 ネットを見れば様々な情報は駆け巡っているけれど、勿論「ガセ」も多いわけで、その取捨選択
は非常に難しい。
 
 河野氏が「正しい情報を知ることができないからパニックが起こる」と仰っていたが、私として
は「あまりに情報が(錯綜)多すぎてパニックになることもある」のではないかと。
 
 以下ざっと備忘録。

<原発事故に関して>
 ・原発依存の現況をどう乗り越えるか。(河野氏)
 ・福島原発は原発事故でいうと中レベルであった(後藤氏)
 ・マスメディアが事実を歪めている現実があるので国民が真実を知らない(河野氏)
 ・高レベル核廃棄物の行き場のない我が国において原発を稼働させることは「トイレの
ない家」と同じ(河野氏)
 ・「つじつまの合わない原発稼働」をずっと訴えてきたがまともに取り上げられたことが
ほとんどない(河野氏)
 ・現在、「原発推進派議員」はその爪を隠している。事態が下火になってきたところで、
また原発を更に推進しようと考えている。それを防ぐためには是非、一人一人が地元の議員
事務所を訪ねて、エネルギー政策について確認をしてほしい。
 ・知事は大統領並みの権限を持つ。各々の都道府県において「原発稼働の可否」を指示
できるのはその各々の知事のみ。首相であってもこの権限はない
(水野氏)
 ・これから原子力工学を学ぼうとする生徒に対してはそのリスクをきちんと説いた上で、
くさびを打ち込んだ上で、学ぶ姿勢を持たせなければいけない(後藤氏)
 
<これからのエネルギーに関して>
 ・少し前まで電力会社は「オール電化」を推進するなどして常に電気使用量をピーク近くに
持っていこうとする動きがあった。ということは常に極めて高い水準に近いので「原発を使わ
ねばならない」という図式を作り上げていた。
 ・あまりに「電気」に頼りすぎる世の中ではなかったか。福島の事故をうけて一人一人が
原点を見つめ、そこへ立ち戻る必要性があるのでは。
 ・自然エネルギーは現況では「コストが高い」という反発もあるが、コストというものは
普及すればするほど下がる傾向にあるので、現況とは異なり変化し続けるということ。
 ・学者、技術者からすると「自然エネルギー」は挑戦しがいのある分野、日本の技術は世界
でもトップクラスであるので、ポテンシャルもある。その研究にきちんと予算がつくようになって
ほしい。
 ・「節電型」と言いながら新型家電などは「大型化」させている家電も多く、必ずしも節電に
つながらない現実があった。これはメーカーや電力会社の思惑も含んだものと思われる。
 ・本気で代替エネルギーに移行しようとする下地ができれば具体的にはあと10年ほどで全ての
転換が可能。
 ・積極的に発送電分離をすすめる必要がある(方向的にはそういう流れになりつつある)。

 というような流れであった。

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※私自身としては、大変不勉強で恥ずかしいのだが「原発稼働の可否を知事が決められる権限を持つ」
ということを知らずにいたので少なからず驚いた。総理ですらもその権限がない。だから浜岡の時も
菅首相からは「要請」という形になったのだろう。こうした側面からも知事を選ぶ時には慎重さが求
められると強く感じた。

※2 上の備忘録には記していないのだが、後藤氏が大変興味深いことを話していた。
 「菅首相は歴代首相の中でも原発については非常に多くの知識を持っていた」というような内容で
あったと記憶している。メディアでしか菅氏を知ることのできない私にとってはちょっと意外な言葉
だったが、菅氏が首相を辞めた今、様々な福島原発事故時の話が出てきていることからも、かなりの
情報統制が当時、はたらいたのではないかと思う。氏の信頼の可否、好き嫌いは別として、この国で
は原発事故を隠蔽する力が強すぎる。
 後藤氏は元東芝 原子力設計技術者であったことからも設計や内情に詳しかったはずだからそういう
人の発言としてこの菅氏の話はもう少し掘り下げて聞きたいところだった。

※3 自然エネルギーへのスイッチは一般に言われるところの公害もなく、原発のような生命への危
険性ももちろんのこと皆無であるから、是非段階的にそうなっていってほしい、という思いのどこか
で、またそれを「利権」に結びつけて「自然エネルギービジネス」を目論む輩も出てくるのではない
かとそれが不安であったりもする。
 ただ、資源に乏しいこの国にあっては、後藤氏の話を聞く限り、この日本は技術力も高く、ことに
洋上の風力発電や地熱発電など、やはり自然エネルギーにシフトしていくのが一番ベストなような気
もするわけで、原発のような利権絡みのドロドロではなく、なにがしかの明確なルールがつくられて
それを利権に結びつけられないくさびを是非とも打ち込んでほしい。って、それは難しいんだろうな〜。

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 この90分間に<原発事故の振り返り>と<代替エネルギー>についての大きな枠組があって、その
他にもリアルタイムで中継しているU-STREAMの視聴者から送られてくるメッセージをコーディネ
ーターの福田氏がi-padを使って読み上げる場面もあったり、会場の聴衆から質問を集めて、それに
答える、という場面もあったり、で、やはり「全てにおいて時間が足らない」という感じが否めな
かった。

 昨日だったか、横浜市のマンションの5階部分(だったと思う)あたりで非常に高い放射線量が
検出されたという情報があった。
 横浜市は川崎市に比べてどうも「放射能問題」への動きが鈍い気がしないでもなく、子どもの
通う学校でもこうした問題についての「対策」についてはどうも「?」な部分が多い。
 
 このシンポジウムでは、「どこまで除染をやるのか」という話題も少し出ていたように思うけど、
こと原発に関しては「心配しすぎるぐらいで丁度いい」のだそうだから、この関東圏ぐらいまでは
是非子ども達の学校の校庭やプールについても除染を行うぐらいの気構えがあってもいいのでは
ないだろうか。
 
 風にのってやってくる放射能はそれがどこまで広がるのかも正確には把握できないし、第一、
それをどんな力をもってしても誰にも止めることはできないのだから。

 少し尻切れトンボの感が拭えないシンポジウムではあったけれど、改めて大局の動きを知ること
ができ、自分の思いを再認識することもできた。
 今回のシンポジウムでは「食への汚染」に関しての話題は殆ど出ずじまいだったので、今後は
また地域ごとの小さなコミュニティーの情報も気にしつつ、子ども達を守りたいと思う。
 
 この国では「真実」を知ることはとても難しくて、だからこそ自分がいつもアンテナを目一杯
伸ばしていないといとも簡単に泥濘に足を取られるような、そんな感覚がある。



【18日・シンポジウムの動画】

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oceanbridge

お久しぶりです。
レポート、とても興味深く読ませていただきました。
9/19には都内で大江健三郎氏の呼びかけで6万人によるデモが行われたそうです。私は都内に行ける場所に居なかったのですが、どうやったらこのような開催の予定を知ることができるのかな?といつも不思議です。
by oceanbridge (2011-09-20 21:06) 

earlgrey

★oceanbridgeさま
本当にお久しぶりです!ご無沙汰をいたしておりましたm(_ _)m。
記事を読んで下さっていたこと、嬉しく思っております。

 9/19のデモは規模がすごかったようですね!6万人集まる
というのは前例がないのでは?
 私も前日にTwitterでこのデモがあることを知りましたが、
どうしても放りっぱなしの畑に手を入れなければならず参加は
叶いませんでした。
 
 デモやその他、この記事のようなシンポジウムに関しては、
やはりTwitterが一番告知をしているかと…。脱原発関連で検索
をし、そういった情報を流してらっしゃる方々をフォローすると
情報が拡散され、流れてきます。これが一番手っ取り早いような
気がします。

 そういえば、ソースがないので信憑性が「?」なのですが、
朝○新聞はこの大規模なデモをスルーして記事にはしなかったそう
で今ちょっとした話題になっています。
 一番そういうことに力を入れ、情報をまっすぐに伝えるのが
東京新聞だそうです。
 どういう力がはたらいているのかは知りませんが、朝○とも
あろう新聞社がこういう話題を全く取り扱わないことについては
情報隠蔽の片棒担ぎじゃないのか、と勘ぐりたくもなります。

 最近、少しデモも減ってきたかな?と思っていたので今回の
この大規模デモはとても意義がありましたね!
 また私も機会があれば参加したいと思います。
by earlgrey (2011-09-21 00:12) 

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