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河野太郎さんの講演会に参加してきました。 [地震や原発のこと。]




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 先だって予約を入れていたこの講演会に昨日5/16、出かけてきました。
 午後6時半開演というちょっと遅めの講演会でしたが、目黒の不動前が最寄り駅で、この
不動前はカズさんの勤務先でもあるので土地勘はまあ何とかある方。
 地図を見てみると駅からはちょっとありそうだったんだけど、なんと仕事途中のカズさん
が不動前の駅まで迎えに来てくれて、オフィスには内緒で会社の車で会場前まで送ってくれ
ました。正直、助かった〜。


 さて。
 会場は竣工したばかりの文化センター。建物内部はまだ新しい香りが漂う中指示された
3階へ。
 上の画像が講演の開かれた講習室です。収容は概ね120名程度ではないかと。
 私が到着した18時15分にはまだ席の3分の2ほどがあいている状態でしたが、時間間近
にはほとんど全部の席が埋まりました。

 この講演会の主催は、冒頭の説明によると神奈川・平塚の会で「遺伝子組み換え食品」
について問題を提起していたグループのようです。平塚は太郎さんの地元でもあるのでその
あたりからの知り合いだそうであります。

 来ていた人たちをそれとなーくチェックすると男の方、それも老齢に達するであろう方
が結構目につきました。皆さん、お一人での参加です。あとは「他団体」であろう方々、
後ろ半分は若い方も結構いらっしゃいました。

 自分自身も一から勉強!のつもりで懸命にメモをとってきましたが、どんどん話が進んで
しまうので(;゚Д゚)、正確性についてはちょっと自信がない面もあり、誤った箇所もあるかも
しれませんがお許し下さい。
 以下、備忘録です。

・出発は「石油」の代替エネルギーとして
 原子力政策のスタート時は非常に真面目なものだった。限りある資源「石油」に代替する
エネルギーとして「原子力」への大きな希望。ところがどこからかそれがおかしくなってき
て、原子力を研究する大学教授などには「研究費」と称して大きな予算が出るのに対し、自然
エネルギーなどを研究するグループに関しては徹底的に叩いてきたため、今でも変わらずお抱
え教授、のような立場の人間が優遇されている。研究費を沢山もらえる教授たちは「直ちに健
康に…」となるのは当然の話。ちなみに原子力を研究している教授のグループ、弟子などは皆
さん、東電や動燃に就職なさったそうです。

・「核燃サイクル、つじつま合わず」
 ウランは石油と同じで限りある資源(このままいくとあと70年位?)。その70年をもっと
節約するために再処理をしてプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜ合わせてプルサーマル
という形をめざしてきたが、このプルサーマルに使うMOX燃料というのはウラン9に対して
プルトニウム1という割合。これではウラン資源を長持ちさせる、という比率にはなり得ない
のではないか。
 高レベル廃棄物の最終処分場をどこにするのか、増え続ける核のゴミをどこへ持って行く
のか、という問題(モンゴルへ送るという案も出始めた途端、国内での処理を真剣に考える
人間がいなくなりつつある)。
 
・「夢の高速増殖炉」に移行していくためプルトニウムを先行産出。
 現存型の原子炉からより効率の良い「高速増殖炉」を増やしていくことを当初予定していた
ので使用済み燃料からプルトニウムを取り出す作業のみを先行。ところが高速増殖炉は操業が
うまくいかず、もんじゅも動かせていない有様。そうしたところ我が国の所有するプルトニウ
ムは45tに(ちなみに北朝鮮は10kgー50kg)。現在はヨーロッパであずかってもらっている。
 このままいくと年に8tずつ増えていくプルトニウムをどうすればいいのか?

 などまずは現在の日本の原子炉や高速増殖炉、そして核のゴミについての話を展開。
 
 その後、東電の仕組みなども少々。
 
・3.11の大震災後、計画停電が起きたがあれも電力会社の「電気足りないキャンペーン」だっ
た可能性が高い。

・電気には大口利用者への電気代割引(大口の利用者には電力が不足時「積極的に電気を止め
ることがありますよ〜、でも、その分電気代をお安くします〜」という契約があるらしい)が
あるが、個人契約では当然割引はない。それなのにその電気代の安い大口契約者も個別契約者
も計画停電では同じように停電をさせられた、これはおかしいし、どう考えても全ての人に損
害賠償の可能性のある話。電気代を割り引いてもらっている大口に対し通常の値段を払ってい
る個別契約も一緒に停電、では割に合わない。

・電力会社の広告宣伝費は全て「電気料金」に加算。コストに組み込まれている。膨大な広告
宣伝費を使っているので、その金の力でマスコミや出版業界も黙らせる。そのお金は全て利用
者の電気料金に加算されている、ということ。

 次に河野氏の原発やフクシマに対する考え。

・原発の新設は賛成できない(場所もないのに核のゴミも増え続けてしまう)。現存する原子
炉については2050年までには各地寿命を終えて廃炉になる予定なので、その2050年までに今
度は再生可能エネルギーに転換していくのが望ましい。

・原発を誘致していた地区においても原発交付金で豊かになっている所は現実としてないと言え
る。一時的には豊かになったように思えても結局その地域が原発を頼りにするような依存性が
出てしまい、予算が足らなくなってくると「じゃあまた新しい原発を…」というスパイラルに
陥っているし地元の産業がどうしても育たなくなる。長い目で見ると決して原発を誘致した地区
は豊かになり得ない。

・政府はどうしてフクシマのことをひた隠しにするのか。外国メディアからの追求はものすご
いものがあったが、日本の報道はあまりに甘い。

・どうして経産省の下に保安院をつくるのか?(←推進派同士ではなれ合いになる)本来は国
会の下に原子力村以外の人間で構成される組織をつくって監視をしなくてはいけない。

 ー休憩時間ー ※約20分程度。この間に太郎さんへの質問カードを回収(私は提出せず)。

・最後の30分弱。サドンデスで沢山の質問に対応。
 う〜ん、でもこの辺はイマイチ、あまり意味のない質問ばかりだったので(ちょっとご本人
も可哀想だったのでは…)メモしていません。
 あっ。でも一つだけ以下の質問だけ記録しておきます。

・参加者の質問:電力は本当に足りないのか? → 回答:不足はない。原発がなくなってし
まうといろんな意味で困る電力会社が必死で「原発がないとキャンペーン」をやっているだけ。
火力発電が動いて、企業には自家発電を行っているところも多いので電気の買い取りをするな
どすれば夏場の一番電力を使う時間でも乗り切れる。

 最後に、「デモも大切なのですが、それだけでは世の中は動いていかないと思う。やはり、
地元の議員事務所を訪問してきちんと意見を伝えてほしい。デモをやって『みな同じ気持ちだ』
と確認した上で帰宅したら是非議員に意見を伝えに行くことが一番効果的。遠慮することはあ
りません、そのための事務所なんです」と力説されていました。

 という流れで21時を少し回ったところで散会になりました。

 
 私の感想としては、太郎さんはとても楽しい人だ、ということがまず一番。
 シビアな問題であることに間違いはないのですが、随所に笑いを織り交ぜて、また話術の巧み
さにあっという間の3時間でした。政治家さんってやっぱり大変なのね…様々な分野の勉強や話
術、政治家同士の関わり、駆け引き…。自分にはぜーったい無理だ!!!と確信しました(いや、別
に政治家になりたかったわけじゃなくて…(;´∀`))。
 
 政治家さんですからあまり「汚い部分」には触れません。質問コーナーでも科学的な質問も
出ていましたが見事にスルーしていました。それから正直歯切れの悪い部分もあるにはあった。
 自民党の中で「おまえは共産党だ!」と指を指されてますよ、と苦笑いしていた太郎さん。
 
 ちょっと疑問に感じる部分がないでもなかったけど、核燃料の勉強としては非常に分かりや
すかったです(私のような科学無知おばちゃんにも)し、参加できて良かったです。

 感想アンケートにはこのように書いて提出しました。
「話が分かりやすくとても理解しやすかった。脱原発の50年構想にも非常に共感は持てます。
しかし一つ不安なのはその各地の原発たちが寿命を終えて廃炉になる50年の間にまた大きな
地震が発生したときにどうするか、ということです。日本は地震の活動期に入ったと言われて
います。廃炉を迎える迄の原発震災を避けるためにどうすればいいのか、という問題がありま
すね」
 というようなことを書いてきました。

 
 そしてもう一つ。これは私だけが感じたのかも知れませんが…。

 何回か原発関連のイベントに参加してきましたが、どこにも必ず沢山の反原発グループの
方がいらっしゃいます。この前の「終焉に向かう原子力」でもそうでしたし、デモの時にも
様々な会の方がいらっしゃいました。
 ですからそういう会に出ていくと様々な会の方が回ってきてチラシを配ったり、原発署名
を依頼されたりします。でもまあ自分的にはそれでも全然かまわないと思っていました。

 昨日も休憩時間、他のグループの方々がチラシを配っている姿がありました。
 そして丁度、その方が私にチラシを渡してくれた直後、です。
 それを発見した講演会を主催したグループの方が、マイクを持って「ちょっと!ここ、ぼく
らの会なんでそういうのやめてもらえますっ?」と怒声を浴びせました(少なくとも自分には
かなりイヤミに聞こえました)。
 それってすごくいやだなぁーって感じたんですよね。
 別に「これからも原発をどんどんつくりましょう!」なんていうチラシを配っているので
はなくて、同じ目的の内容であるのにもかかわらず「ここはオレらのシマなんだからここで
商売してんじゃねぇ」ってそういうテリトリー意識みたいなものを感じたからです。

 うまく言えないんですけど、原発を反対する勢力が「反原発」と呼ばれ隅っこに追いやら
れていたのってこういうのが根底にあるんじゃないかってそう思えたんです。
 要するに建設的じゃない。論議にならないんですね。
 自分がいつも感じる「ちょっと違ったベクトル」というのはこれなんだ、と。
 原発推進派からしたってこの上ない「漁夫の利」になり得ませんか?
 悔しいじゃない、そういうの。
 
 まあ、自分がきちんと把握できて知識として会得できればそれでいいんだけれど、世論とい
うのは当たり前の話、一人では動かせないですから。皆が同じ思いを感じて動かしていくもの
だから、このような光景はあまり見たくなかったですね。
 
 別団体がチラシを配ることはどこのイベントでも起こりうることで「想定内」のことです。
 それを避けるのであれば予め冒頭で「チラシを配るなどの行為はご遠慮下さい」と言うべき
でした。
 あのいきなりの怒声とイヤミじゃ、一般の人ならどう考えても引いてしまうと思うな…。

 
 という訳で最後は愚痴になってしまいましたが、太郎さんのお話、こんな感じでした。
 アイビースタイルのジャケットと白いジーパン。
 太郎さん、スタイルも良くてなかなか渋かったです。
 他の政治家の方々もこういう機会、沢山もってほしいですね。
 

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oceanbridge

詳細なレポート、楽しみにしていました。ありがとうございます。うんうんとうなづきながら読みました。
原発は、初めはまじめな取り組みだったのでしょうが、利権がすごすぎて、見直しすべき時期が来ても見直しできなかったのですね。危険な物に大きな利権を付けたことが、今となっては間違いだと分かってきたのですよね。
「良さそう」だと思ったら飛びついて日本全国フィーバーになり、のちにその悪影響を受ける、という点では、スギ花粉も似ている気がしました。

河野氏の祖父河野一郎氏については、「原発・正力・CIA 機密文書で読む昭和裏面史」という書籍があるらしい(amazonで2週間待ち)のですが、そちらに詳しく載っているようです。いろいろな背景がありそうですが、河野氏はにわか反対派ではないですし、声を大にして原発反対を主張してくれているのは、心強いです。
by oceanbridge (2011-05-19 20:25) 

earlgrey

★oceanbridgeさま

 こんにちは!読んで下さって、そして、コメントをいただいて
ありがとうございます。
 仰るように「利権」とは恐ろしいものですね。最初は少なくと
もそこに係る技術者の方々などは「原子力」を「夢の技術」として
日本を背負って立つ思いで作業をされていたことでしょう。ところ
が、ある時期から技術よりも利権の方が強調されるようになってし
まって今は完全に安全性よりも利権が先行するようになってしまい
ました。原発村の人間はオウムじゃないですけど完全に「洗脳」の
ような状態にあるのでそこへ金も絡めば永遠に目が覚めることなど
ないようにも思えますね…。
 スギ花粉…!本当にその通りです。人間の思想というのは事象の
大小に関わらず根っこは一つなんだとつくづく感じました。

 河野一郎氏関連の書籍「原発・正力・CIA〜」というのは全く存
じませんでした!一度是非目を通してみたいと考えています。
 
 政治家さんの今回のような勉強会は非常に珍しいことなのかな?
と感じていますが、原発の賛否にかかわらず他の政治家さんにも是非
こういう機会を持って頂きたいものですね。ことに推進派の方々にも
現況がこうした中、どういうわけで推進をするのか意見を聞いてみる
のもそれが返って脱原発のためのポイントになりえるのではないか?
なんて考えていました。

 oceanbridgeさんには原発のことでこうしてお知り合いにならせて
いただいて本当にご縁とは不思議なものだなと感じます。
 今後も私自身は変わらず脱原発に向けて「行動」していこうと思っ
ておりますので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
 
※福島第一原発もますます予断を許さない状況になってきていますね。
その影響の大きさに心配が募ります。

by earlgrey (2011-05-20 11:59) 

oceanbridge

こちらこそありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
「原発・正力・CIA」は、図書館では20人待ちだったので、たぶん半年以上かかると思いました。たぶん、震災後ににわかに注目を浴びた本だと思います。
ダメモトで近所の書店で探してみたらあったので、購入しました。これから読んでみようと思います。
小出しに深刻な情報が流れてきて、やっぱりそうだったのか、とは思うものの、嫌~な感じですよね。
by oceanbridge (2011-05-20 21:10) 

earlgrey

oceanbridgeさま

 体調を崩してしまいご返信が遅くなりました失礼をお詫び
申し上げます。
 しかしながら…「原発・正力〜」が図書館で20人待ちとの
こと!! 今は原発問題にかなりの注目が集まっているのです
ね。私も先日広瀬隆さんの「福島原発メルトダウン」という
本が出版されたのでamazonで購入したのですが、一瞬では
あったのかもしれませんが、確か売り上げが総合で12位、分
野別では1位と記録されていたので驚きました。
 私も是非、ご紹介いただいた著書を読んでみたいと思って
おりますが、是非oceanbridgeさんの書評もお聞かせ下さい。
原発関連のことでは本当に「今更何を…」というぐらい後出し
情報が出てきていますね。恐らく国民の暴動が起きる、とか
ばからしい理由で情報は歪曲、もしくは隠蔽されるのでしょう
が、情けないことに暴動を起こすほどパワーがある国民性だっ
たら逆にこういう風にはならなかった気がしてしまうのですが…。
いかにしても情報の曖昧さに毎日苛立つばかりです。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
by earlgrey (2011-05-23 11:20) 

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