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「終焉に向かう原子力」講演会に行ってきました。 [地震や原発のこと。]


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 このBlogでも「原発デモ」ページでお知らせしていましたが、本日29日は東京・千代田区
にて行われた、

 【東京】「終焉に向かう原子力」第11回 ──
   チェルノブイリ原発事故25周年/東海地震の前に浜岡原発を停止させよう

 この講演会に参加してきました。





 この講演会、京都大学の小出教授や内藤新吾さん(静岡・菊川で浜岡原発の停止を訴えて
おられる牧師さん)、広瀬隆さんのお話が聞けるとあって、かねてからどうしても参加したい!
と切望していた講演会だった。丁度学校の方でも原子力の授業が行われているオッサンにも
聞いてみると「行ってみるか」とのお返事。またまたボケツッコミコンビで出かけることに
なった。

 12時30分開場とのことだったので、自宅を11時前に出発し、12時20分頃に会場である
明治大学駿河台キャンパスアカデミーホールに到着したのだけれど、既にものすごい行列…。
 しまった!…と思わざるを得なかった。


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 会場を一度変更して大きなホールにしたらしいのだが、先着1000名とある。
 えーーー。
 ここまで来てダメか?!
 何とか一番後ろを探して足早に並ぶ。
 前方に連なる長蛇の列を見たらクラクラしてしまうほど、ものすごい聴衆の数。
 原発に対する関心度がどれほどのものか、ということを改めて思い知った。

 会場内部が混乱しているようで、列は少しずつしか動かない。
 小一時間並んだろうか。
 一向に動かない待ち列の人々もだんだんイライラが募っているように映った。
 
 講演会主催者スタッフが出てきてなにやら話しているが周囲の騒音のせいで聞き取れない。
 待ち列のどなたかが(恐ろしく声の通る男性…ありがとうございました)見かねて代弁して
下さった。

 「(既に入場している人たちで殆ど会場がいっぱいになっているので)あと200名の入場で
打ち切りということです!」と。

 私たちボケツッコミコンビはこの最後の200人に辛うじて入ることができた。
 後列に並ぶ人たちに申し訳ないような思いで会場へ。
 しかし、もったいない…これほどの人数が原発のことに関心を持って足を運んでいるのに
「後日動画で配信します」だけでは…。
 
 この「終焉に向かう原子力」は今回が11回目であるが、Twitter情報を見たところ、これま
では大体40名ほどが集まって講演会を行っていたらしかった。
 ずいぶん、入場手段も後手後手だなぁ〜と思っていたのだが、主催者側の方々もこれほど多
くの参加者とはまさに「想定外」だったのではないか。
 帰宅後に再度Twitterをのぞいたら、1200名が入場し、その後1000名以上が会場に入れなかっ
たとのこと。その中には社民党の福島瑞穂氏もいらっしゃったとか。

 会場に入った私たちは入場料1000円を二人分支払って、案内されるまま2階席へ。
 ステージ部分が、と、遠い…(涙)。でも、まあ贅沢は言えまい。1000名もの人たちが入れ
なかったのだ。講演を聴けるだけで良しとしなければ。


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 プログラムは以下の通り。
  [内容]
* 浜岡原発現地報告:午後1:00-
伊藤実(浜岡原発を考える会代表)
生方卓(明治大学教員)
内藤新吾(日本福音ルーテル掛川・菊川教会牧師)
* 講演:午後2:20-
小出裕章(京都大学原子炉実験所)「悲惨を極める原子力発電所事故」
広瀬隆(作家、ジャーナリスト)「原子炉時限爆弾——年々迫る東海大地震と、浜岡原発の危機」
 
 という流れで大変貴重且つ大切な話を聴くことができた。
 
 今後、動画も配信されるということなので、私の方から内容を詳細にリポートすることは避
けるが、最近、一瞬でも「福島原発も何とか一区切り…?」などという考えがほんの少しでも頭
の片隅に生まれつつあった自分の乏しい能力に思いっきり喝が入った感じ。
 何も事態は変わっていないのだ。
 相変わらずまだ危機的状況にある福島原発。
 もう一度何かがあったら確実に関東にも更なる影響が及ぶ。

 グラフを見せていただいた。
 年代別・40代以降となってくると放射能に受ける影響はだんだん減っていく。
 ところが0歳児、10歳未満の子どもについては30代を一応の目安として見ると内部被曝の危
険が3倍にも4倍にも見えるぐらいの数値だった。
 要するに細胞分裂が活発な子どもほど、放射能をどんどん取り入れてしまうのだそうだ。
 そして細胞の一つ一つを傷つけ、傷ついた細胞はそのままの形で生まれ変わってしまう。
 やはり、どうしても子どもたちへの大きな影響は現時点で避けられそうにない。
 この先、まだ垂れ流される放射能に対して、どういう対策をしていけばよいのだろう、と思
うと暗澹たる気持ちでいっぱいになった。

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 こう書いていると福島原発の問題だけを一方的に悪者にしてしまっている罪悪感がどうして
も出てくる。
 考えたらこの福島原発は東京電力が首都圏に送る電気を供給するための原発なのだから地元
の方々から言わせれば「とんでもない!」という思いをとうに超えていることと思う。
 とても、とても、申し訳ないと思う。地元の人からしたら、「東京の奴らのせいで…」とい
う言葉も耳にした。
 確かにその通りなのだ。

 ただ…。私たちに電気を選ぶ権利はない。否が応でも東電から供給される電力を使わざるを
得ない。だからなおさら、原子力はもうやめにしなければいけない、と思う。
 誰かに負担を追わせて、誰かに不自由を味わせて、誰かの命につながるような、そんな原発
をつくること自体がそもそも問題だと思う。

 無知過ぎた。福島に原発があってそこは本来は東北電力の管轄なのに、原発の場所だけ東電
が管理をして福島から電力が来ているなどと、分からなかった自分。知ろうとしなかった自分。
これだけは福島の方々に心から謝らなければならない。
 だからこそ、こうした悲劇を生み出さないためにもやっぱり、「原発はNO」だ。

 この講演会で聴いたところによると、原発は首都圏には絶対につくらないのだそうだ。
 人口過密部分にもつくれないし、原発付近は勿論人家もつくれない。
 「安全な原発」というのであれば、どうして東京につくらない?
 それが一番の答えではないか。
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 小出教授の講演の冒頭、教授は「原子力に関わった者として今回の福島原発事故を防げなかっ
た責任は自分にもある。申し訳ありません」と深々と頭を下げられた。
 YOUTUBEなどで動画を拝見したことはありながらも、こうして間近でお話を聞くにつれ、こ
の小出教授が大変な人格者の方だということが伝わってくる。
 原発は危機的な状況にあることは間違いがないが、こうした真摯で熱意を持った方々がいてく
ださることはどんなにか救いになる。

 広瀬さんの話も大変興味深いものだった。
 原子炉時限爆弾、をあらかじめ読んでいたので話の内容もそれに則して分かりやすいものだっ
たし、目から鱗の話の一つに「代替エネルギーにいきなり自然エネルギーは無理。自然エネルギー
と叫び続けることで、それが無理なことを知っている東電がますます味をしめて原発を発展させ
てしまった」という話があった。
 まずは火力発電で電力をまかないつつ、自然エネルギーにシフトしていく方法が一番良いとの
こと。声高に自然エネルギー!と叫び続けることは返って自分達の首を絞めることになる、とい
う話は、聞いてみればまったくその通りだと納得もできた。

 知れば知るほど、よくわからない魑魅魍魎の巣窟、原発推進派。
 その場しのぎの苦し紛れの言い訳をしながらここまで原発を増やしてきた。
 そのほころびが今になってそこらじゅうで破綻という形になって噴出してきたのだろう。
 
 7月に浜岡原発3号機が再稼働することもニュースで伝えられた。
 Twitterでは、こんなことがまかり通ってしまうとしたら、その7月に浜岡原発の周囲を「人間
の鎖」で繋ぎ、再稼働を阻止しよう、という案も出ているらしい。

 私は、原発関連の何の会にも属していないし、これからも属す気持ちはない。
 自分なりのポリシーもあるつもりだし、基本的には一人で行動したいと思っている。
 何のために、と聞かれればかっこよく「正義感!」とか答えたいのが山々だけど(笑)、私の
気持ちはやはり、「子ども達を守る」それだけ。
 ただ、今の気持ちとしては「これ以上何ができるか」というところで少し立ち止まってしまっ
ていることも確かだ。
 
 でも、今日の小出先生の言葉 「数ではない。一人一人がどうするか、だ」というような話を
聞いて、やはり自分自身がそうした意識をしっかり持って行動することが一番だと思えるように
なった。一人一人の意識、関心を深め、それを高めることで世論を動かすしか方法はない。
(小出先生、後で聞いた話では、なんと会場に入れなかった方々のために外へ出て挨拶をされた
そうです…。そういう真摯な姿勢、本当に頭が下がります)

 菊川で牧師をされている内藤さんがこんな言葉を仰った。
 今、子ども達の間でこんな言葉が流行っているのだそうだ。

 「ほあんいん ぜんいんあほ」

 上から読んでも下から読んでも同じ、らしい(笑)。
 子ども達だってちゃんと全部わかってる。
 まさに言い得て妙、だった。


※午後1時過ぎから終了が夕方の5時ということでかなり長い時間の講演でしたが、私にはとても
有意義な時間となりました。ただ、隣に座る我が愚息はしばらく居眠りこいてたような(;゚Д゚)。
ま、中学生にはまだ受け止めるのが難しい問題だったから仕方もないですよね。
 ただ、広瀬さんの話の時にはかなり興味を持って話を聞いていたようです。
 「東電関係者は最終的には津波でもって原発を冷却しようとしている」という皮肉?話のとこ
ろでは会場が大爆笑(東電に対する失笑)でしたが、隣の愚息も素直に笑ってました。
 もう笑うしかないよね、この馬鹿さ加減に。


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 ※Twitterで拾わせていただいた画像。ものすごい行列でした。


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 ※物販では牧師の内藤さんが執筆された本を一冊と、
 「HAMAOKA&ALL STOP NUCLEAR POWER PLANT」と書かれたバッチを3個購入しました。
 このバッチは文字通り「原発をストップしよう」というメッセージであり、私もこれからバッグ
に付けたいと思っています。また、収益金は全て東日本大震災の被災地へ募金として送られる、と
いうことでした。ちなみに内藤さんの本は休憩時間のわずか10分程度で完売。
 愚息が自慢の力走で手に入れてくれた大切な一冊となりました。

 今日のブログ、いつもに増して長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さってありがとう
ございました。まだまだ脱原発、関心持って頑張ります!

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コメント 6

jwmn

スゴイ行列。
良く出かけるね〜?
うち、出かけるとしたら県内だなぁw
「たまには遠いとこいきたいよー。」というと、「じゃぁ、コンビニいくかw」 ザケてんのか...?とか思ったり...。

恐ろしく声の通る男性の声きいてみたいww

by jwmn (2011-05-01 14:34) 

ebisu

反原発の環が広がっているようですね。
うれしい限りです。
by ebisu (2011-05-01 19:37) 

earlgrey

★jwmnちゃん
 すごい行列だよね〜。思い切りツカレタ(;゚Д゚)。
 うん、うちはよく出かけてると思うなぁ。しょっちゅうあちこち
行ってるわ(苦笑)。なんかさ、子ども達と出かけられるのもそう
ずっとではないじゃない?みんな思春期とかになって大人になる途
中で、「親と歩くのウザッ」とかなってしまうと思うんよ、もう少
ししたら。だからまだ一緒に出かけてくれる今を大切にしたいなと
思ってね。
 コンビニ…、確かにガクッとくるよね?思い切り、場所指定して
リクエストしてみたらどうだろう?
 声の通る男性、後で聞いたところ職業が役者さんとのことだった。
 だから発声が良かったんだわ、きっと(^Д^)。
by earlgrey (2011-05-01 23:25) 

earlgrey

★ebisuさま
 いつもありがとうございます。
 講演会では大変長い列ができて、多くの人々が原発に対して
大きな関心を持っていることが分かりました。
 1000名ほどの方が入場できませんでしたが、入場打ち切りに
なったその後、どなたかの呼びかけで会場前に残っていた方々で、
リレートークが行われたそうです。
 まだまだ脱原発への道は険しいものもあると思いますが、それ
でもこれだけ大きなウェーブができつつあることはとても大きな
前進ではないでしょうか…。私自身もまだまだ頑張っていくつも
りでいます。
by earlgrey (2011-05-01 23:29) 

とる子

いやいやすごい行動力。こういう方達の力が今回の浜岡原発を止める力になったんでしょうね。
脱帽です。
そしてお疲れ様でした。
私も小出裕章さんと広瀬隆さんのお話聞いてみたかったなぁ
by とる子 (2011-05-17 16:18) 

earlgrey

★とる子さん

 とんでもないっ!!!
 今まで私が何もやらなさすぎていたのです。そして知らなさすぎ
ました。まあ、知らない間に日本も相当やばい事態に…(涙)。
 遅きに失した感は拭えませんが、せめて正しい情報を、知識をと
思って今は自分なりの行動をするようにしています。

 小出さんと広瀬さんのお話、とても興味深く、また大切なお話
でした。
 これからもこんな機会を数多く持って行きたいと思います。
by earlgrey (2011-05-19 13:26) 

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