SSブログ

父母会と卒論。 [子ども・家族のこと。]

110213_164645.jpg

 オッサンの中学にて今年度最後の父母会があった。
 年度末は社会で働く方々はもちろんのこと、子を持つ親にとっても非常に忙しい時期
でもある。
 行事って何かと3学期に多く組み込まれているのだ。
 この日も前日のプッコさんの学校の行事に引き続いての父母会だったので、体力的にも
かなり疲れが…。

 しかしながら今回の父母会は最終学年に向けてとても大切な学年会が予定されていたの
で老体にむち打って出かけてきた。

 
 オッサンの学校はとても気楽な学校で(親にとっても)、親同士の付き合いもサバサバ
しているので本当に居心地がいい。
 以前の学校のようにどんな場面でも母親同士が「派閥」をつくって、小さなコロニーが
たくさんできることもなく、みんな「自分は自分」というスタンスでいる。従って人付き
合いの下手なアタクシのような人間も肩肘を張らずに気楽に父母会に参加できるのが何よ
りありがたい。



 今回の父母会メニューは、
 ●生徒による職業体験のプレゼン
 ●8年生の総括
 ●卒業論文の説明

 というテーマに沿って進められた。

 

 職業体験は昨年2010年11月に8年生全員が様々な職場へ出向いて就業経験を積む、と
いうものでオッサンも出版関連の会社に1週間働きに出ていた。

 すべての生徒が職業体験後にその様子をリポート提出することになっていた。そうした
中でおそらくリポート制作が巧かったであろういくつかのグループが選ばれて父母向けに
プレゼンを行ってくれた。

 職業体験の就業先は ●助産院 ●フルーツ屋さん ●パン屋さん ●保育園 ●JA 
●国立美術館(上野)●牧場 ●アニメ制作所等々。

 マイクロソフト社のパワーポイントを使って生徒たちがつくりあげたスクリーンを見な
がら司会もすべて生徒たちが担って様々な話を聞かせてもらった。
 
 まだまだ中学生、拙い部分もたくさんあるけれど、それぞれがそれぞれの場所で精一杯
がんばって自分の持てる力を発揮してきたことがとてもよく感じられ、楽しい時間となった。

 ことに、助産院や国立美術館、牧場担当の生徒は職業柄、疲労度も激しくて大変だった
みたい…。
 でも、彼らの記憶に一生残っていく大きな出来事だったに違いない。

 丁稚奉公って大切なことだ、と思う。
 若い頃の苦労は買ってでもしろ、というけれどこれ本当。
 お金をもらって働くことの大変さ、大切さ、を若いうちに知ることができるのはとても貴重だ。
 人生観、価値観共に変わること間違いない。

 人間、誰しも自分一人で生きているわけではない。
 親、兄弟、学校の仲間たち、社会で関わる人たち。
 そうした人たちと手を携えて、支え合いながら生きている。
 働くことはそうしたことを肌身に感じるとても大切な瞬間だと思う。


 さーて。

 一番問題になってくるのが、この日三番目のテーマとなっていた「卒業論文」である。

 入学した時からその論文の存在はイヤというほどクローズアップされ続けてはいたが
(学校が一番力を入れているらしき制作課題だったから…)、昨年ぐらいまではまだ親の
方にも気持ちの上で余裕があった。
 しかし、最終学年を前にしてオッサン本人よりもこっちの方がそのテーマの大きさに
押しつぶされそうになっているのだ。

 その理由は…
 少し前に今年度の9年生が取り組んだ卒論のテーマ一覧がお便りとして配布されたの
だが、そのそれぞれのテーマを見てぶっ飛んでしまったからである…。
 
 いくつか今年度9年生のテーマを取り出してみると…
 ★人はなぜ「善」で居続けられないのか?
 ★なぜ思春期になると「死」を考えるのか。 -死から生を問う-
 ★ユーゴ紛争とサッカーによる民族融和
 等々。
 
 ユニークなところでは、
 ★昔売れなかった山下達郎が今売れている理由
 
 というのもあった(笑)。思わず吹いてしまった。


soturon.jpg
※これが出来上がった卒論。立派に装丁されていてすばらしい。画像では分かりづらいの
だが、厚みも結構あり時間をかけて制作したことが見て取れる。


 しかし、問題はうちのオッサンである。

 我が愚息は第一に於て「国語/文学/感想文」が超のつくほど苦手分野。
 
 父母会で先生は「3月にはテーマのアンケートをとって4月からいよいよ制作に入ります。
で、12月には各自が卒論のプレゼンを行う予定です」とのこと。

 えーーーーっ。もう来月から実質的にはスタートってことじゃない。
 どうするどうする、オッサンどうするーーーー。

 テーマなんか考えているんだろうか、マイケルジャクソンの研究でもするのかな?と考え
たりしていたが、マイケルの著書は数こそたくさんあれど、その本自体を読むことが苦手
なんだからどうやってマイケルの研究を掘り下げるのか…。考えだしたら不安でいっぱい
になってしまう。

 卒論のことで頭がいっぱいになりながら帰宅し、オッサンの帰りを待って彼の考えを
聞いてみることにした。

 「あんた、卒論のテーマどうするか決めてるの?もう来月にはアンケート取るんだって」

 というと、オッサンはニヤッと笑いながら、
 
 心配するな。
 もう自分の中でテーマは決めてある。
 マイケルジャクソンではない。
 でも今自分が生きていく上で一番疑問に思っているところからテーマを考えた。
 何とか形にしてプレゼンできるように頑張る。

 というようなことを話してくれた。

 「テーマを教えてほしいな。私の心の内にしまっておくから」
 というと彼は照れながら「笑ったりしないでよ」と前置きをしてその心に決めたテーマを
教えてくれた。

 それは私の思いもよらない、それでいて以前そういやそのことについて話していたな…
という事柄なんだけど、卒論にピッタリと当てはまるようなとても意義のあるテーマだった。
 嬉しかったー!
 
 ううん、テーマはオッサンが決めたことなら何だって嬉しいんだよ、あたしは。
 何だって受け止めたいと思っていたよ。
(テーマの云々で口を挟もうとは全く思っていなかった)
 
 自分でちゃんとそのテーマについて真摯に向き合いながら考えていた姿勢が嬉しかったんだよ。
 
 再来月にはもう最終学年に突入する。
 マイケルの舞台や修学旅行、そして文化祭が控える中で卒論の制作も精一杯頑張ってほしいと
祈るばかり。
 
 それにしても子どもって本当に親なんか知らないところでどんどん大人に向かっていくんだね。
 そのエネルギーの強さに、今回ばかりは脱帽!
 完全なる親ばかだということは百も承知ながら。


nice!(5)  トラックバック(0) 

nice! 5

トラックバック 0

夜ドラ。故郷。 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。